自立支援介護

  補完する介護ではなく、自立を支援する介護

自立支援介護の二重構造 

自立支援介護の最大の特徴は、個々の要介護高齢者の疾病や障がい等に応じたケア・つまり個別ケアを実践する土台としてまずは基本ケアの実践ということが最大の特徴といえます。これは、認知症高齢者であろうとも実践することにより認知症の周辺症状が消失し、身体的な自立・つまりADLの自立が、この基本ケアで解決が十分見込まれます。

この基本ケアは4大ケアといわれ、以下の四つで構成されます

1番目は「水(水分)」。

人間が1日に必要とする水分をきちんとケアできるようになっていくと、ほとんどの問題は解決していきます。水分が人間の体に与える生理的な影響は非常に大きいです。

 

2番目は「食事」。

食事が適正量摂れれば、あらゆる問題を解決していけます。しかし、食事には低栄養を起こしてしまう性質をもっていますので、そういう問題には注意しなくてはならない。つまり、「常食化」を目指さなければなりません。

 

3番目は「排便」。

これ以降は要介護の世界を視野に置いた話ですが、排便を自らのコントロールで行えるようにしていく。

 

4番目が「運動」。

今までの介護がいちばん不得手なのが運動です。運動の出発点は離床から始まるが、最近では車椅子生活が増えてきたために、ひとまず離床はするが、ベッドから空間的に離れているというだけで決して身体活動を伴っていません。要介護高齢者の運動問題を考えるときに、中心になるのは歩いてもらうということ。歩くことによっていろいろなよい反応が起こってきます。

基本ケアの連鎖 

基本ケアの入り口は、まずは水分摂取から始めます。

水分が十分に摂取できてくると、この4つの基本ケアは、互いに連鎖しあい、各々の基本ケアをお互い高めていきます。

 

この基本ケアは人間が健康に生きていくための要素なのです。水をちゃんと飲み、食事をきちん摂取して、規則正しい便通がある。それから運動をする。この基本ケアは、健康体をつくりだすためのケアともいえます。

自立支援介護の提唱者:竹内 孝仁 先生

1966年  日本医科大学卒業
1966年  東京医科歯科大学医学部整形外科所属
1978年  東京医科歯科大学整形外科講師
1983年  同リハビリテーション部助教授
1991年  日本医科大学教授(リハビリテーション科)
2004年~

 2020年 国際医療福祉大学大学院教授(医療福祉研究科)

一般社団法人 日本自立支援介護・パワーリハ学会 会長
日本ケアマネジメント学会 理事 他・・・・・・

主な著書:
新版介護基礎学、介護の生理学、ケアマネジメントの職人、ボケは脳の病気ではない、薬に頼らず認知症を治す方法(最新刊)、他・・・・・多数


平成28(2016)1110日(木)開催。第2回未来投資会議での安倍総理大臣(当時)の発言から日本の介護は
自立支援介護に(パラダイム)シフトをすることが決まりました。以下に記者会見時の要旨を記載すると、

団塊の世代が75 歳となる2025 年は目前。健康寿命の延伸が喫緊の課題。「予防・健康管理」と「自立支援」に軸足を置く新たな医療・介護システムを2020 年までに本格稼働させる。(中略)介護でも同じくパラダイムシフトを起こす。「できないことをお世話する」ことが中心で、労働環境も厳しい現在の介護から、本人が望む限り回復を目指せる「自立支援」型の介護にする

そして、令和3(2021)年の介護保険改定は、その公言が実行された大改定となりました。

 

「自立支援介護・科学的介護元年といえます!」

2021年度改定の論点

原点に回帰し、自立支援を前面に打ち出しました。以下が強調された箇所です。

介護保険法(第215条まで)

(目的)
第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

(介護保険)

第二条 介護保険は、被保険者の要介護状態又は要支援状態(以下「要介護状態等」という。)に関し、必要な保険給付を行うものとする。

2 前項の保険給付は、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない。

4 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。

国が提示した資料の中には、以下のような図も引用されています。

この資料によると、疾病により重介護化する高齢者、フレイル・虚弱により徐々に重介護化する高齢者を自立支援介護、加えてリハビリテーションで高齢者の自立を目指すという国の想いが見て取れます。

私たちMBAはこの自立支援介護の提唱者である竹内先生が顧問となっており、

技能実習生・特定技能者にこの自立支援介護の理論と実践を教育したのち施設に配属しております。

 

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