理事長の感動日記 その3

内的一致

2009.6.1

1年ほど前からプロのコーチを受けています。といってもゴルフやバレエの話ではありません。
最近は、スポーツにかかわらず目標達成などのためにコーチを受ける人は多いようです。
私も自分自身の中に答えがあるという考え方から、それを引き出してもらう手助けをしていただいております。

実はこの半年ぐらい体調を崩しておりましたが、この一ヶ月は以前にも増して元気になりました。
お蔭様で、体脂肪率が9.4になりジムのトレーナーも驚いています。
このことをバレーボールに熱心な高校生の息子に話したら、あっさり僕は8.2だと言われてしまいました。

さて、このように言い訳のない環境になったにもかかわらず何か充足感に欠けている自分があり、先週はこれについてコーチしてもらいました。すると、自分のすでに持っている価値観と日々の行いに不一致があることが分かりました。欲しい物があると全身全霊でそれを望む子供が、ほとんどいつも内的一致をしているとすると、私のは価値観に基づいた行動ではありませんでした。

本当にしたいことをしていない場合には、自分が満たされないだけでなく、周りにも影響の輪は広がりません。具体的に、日々自分の価値感に沿った何かを、小さいことでもかまいませんから行うことが必要だということに気づきました。

大変優秀なこのコーチ、実は私の大親友でもありますが、今月いっぱいで海外に引っ越してしまうので寂しいです。でも内的一致を果たして心の脂肪率一桁でパワーアップした頃、再会できることを楽しみにしているのです。

何だったんだろう。

2009.4.22

この一週間ほど肩こりと頭痛に悩まされていた。

もうどうしようもなく、病院の脳神経外科に掛かることにした。先生から2種類の痛み止めの薬を頂き、昼食後に服用すると、1時間も経たないうちに痛みがうそのように和らいだ。

何だったんだろう。ここ数日間の痛みは。なぜ先週、整形外科のお医者さんは処方してくれなかったんだろう。レントゲンまで撮ったのに。接骨院の治療費と通いの時間は何だったんだろう。薬局の湿布代とドリンク代は何だったんだろう。

教訓:飲み薬でないと、そしてうちから治さないと直らない。

過去のしたことを憂いないで、今痛みが和らいだことを感謝しよう。
ありがとうございました。

春が来た

2009.4.15

朝の陽光がまぶしい季節になりました。

昨晩の激しい雨がうそのように、実にさわやかな朝です。その光に照らされて、西参道の銀杏の木の緑も鮮やかです。満開の桜に気をとられているうちに成長したのでしょう。

桜の次は私たちよと言わんばかりです。冬のうちはどこから色が出てくるのかと心配させるほど硬く身を閉じていたのに・・・。その変化には驚かされます。

この時期、巷にはリクルートスーツを着た新入社員が溢れています。停滞する経済情勢を一掃するような変化を期待したいものです。

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東京中央会事務局長会会報
事協 春季号に寄稿

2009.4.7 

「外国人研修生受入れの現場から見た日本人雇用問題」

政府は3月6日、外国人登録制度に代わる新たな在留管理制度の導入と、外国人研修・技能実習制度に「技能実習」の在留資格を新設することなどを柱とする入管法改正案を閣議決定しました。

この事業を行う組合として大いに注目するところですが、今回は少し視点を変えて実際の現場からみた日本人の雇用問題について一石を投じたいと思います。

1月18日に酪農の研修生が入国しました。わずか2名ですが受け入れ企業にとっては第2陣となります。前回は、初めての送り出し機関だったこともあり、日本語の事前教育が我々の期待ほどではありませんでした。そのため面接時にその改善を要請してから受け入れました。

入国直後のオリエンテーションで、最近取り入れて好評なことがひとつあります。それは、研修生個人が書く研修日誌の1ページ目に、3年後の自分についてアウトカムの設定(目標設定)をさせることです。研修生一人ひとりに質問します。

  1. あなたの欲しい結果は具体的になんですか。
  2. 成果が手に入った状況を想像してください。
  3. いつ、どこで、誰と創りますか。
  4. それを手に入れるとどのような影響がありますか。
  5. すでに持っているリソースは何ですか。これから必要なリソースは何ですか。
  6. 成果を手に入れるのを止めているものは何ですか。
  7. 成果を手に入れることはあなたにとってどんな意味がありますか。
  8. まず何から始めますか。

この8フレームアウトカムの導入により私がしたいことは、押し付けの日本語研修ではなく、一ヶ月の集合教育中で出来るという自信を持たせて企業に送り出したいのです。なぜなら企業に受け渡してからは、彼らのモチベーションを上げるのは彼ら自身でしかないからです。ひとりになっても「3年後に私が欲しい結果はなんだろうか。」という質問こそが彼ら自身の人生を作り上げて行きます。

日本語のレベルアップにより、日本人とのコミュニケーションは向上し、無駄なトラブル、カルチャーショック、ホームシックの解消につながります。生活面だけでなく仕事の面でも技術の習得を助けます。この日本語と技術の二つの習得は彼らのアウトカムの達成に強力なリソースとなることでしょう。

今回レベルチェックをしてみると、残念ながら日本語のレベルはお願いしたほどではありませんでした。特に聞き取りテストは点数が低く、偏りのある学習が行われていたようです。仮に二人の名前を、AさんとBさんとします。AさんよりBさんの方が若干レベルが上です。Aさんは日本語で質問しても中国語になってしまいます。そしていつもBさんの顔色をうかがいます。Bさんは質問の内容は理解できているようですが、日本語で表現するのに苦労しています。

日本語教育委託機関の先生と今後の対策で意見交換が始まります。私たちがフォーカスしたことの一つは自信をつけさせることです。入国前の事前研修は3ヶ月行われているはずです。すでに持っているものが十分に発揮されるようにします。中国側での3ヶ月が決して無駄でなかったことを彼らは感じる必要があります。

次に五感を十分に活用する必要があります。個々人に必ず与えられている感覚を大いに期待してそこに訴えるべきです。潜在意識に秘めた彼らの可能性を引き出すことが出来たらどんなに素晴らしいことでしょうか。

研修中に日本語の先生がうれしいことを言ってくれました。お互いにどのようにして約束したレベルまで持っていけるか思案していたときです。私が大変でしょうと言うと、「やりがいがあり、勉強になります。」と言われました。その言葉通り、熱心で愛のある教えによって著しい進歩を見ることになります。

およそ一ヶ月の集合教育中に組合の通訳スタッフが行った大切なことは、日本人の考え方を母国語で細かく教えることです。そして、企業の社長や奥さんの考え方、第1陣の状態や関係についても説明します。

閉講式の日が来ました。作文とスピーチの発表です。数日前から準備してきましたがかなり緊張しているようです。彼らの鼓動が伝わってくるほどです。がんばれ!!祈る思いで聴きます。その結果は予想以上の出来でした。3年後の目標や家族のこと、ふるさとのことなどを話してくれました。それは決して丸暗記ではありませんでした。心の思いをありったけの日本語を使って、涙あり笑いありの感動の時間でした。

さて2月8日、別の研修生たちとの懇親会に出席した、受け入れ企業の社長さんと話す機会がありました。話題は、最近の大企業に見られる大量解雇問題になりました。彼はこう言いました。「うちは従業員を解雇しない。いや解雇できない。大変な思いをして雇ったからだ。大変なとき自分の給与を無しにしてでも雇用を確保する。それが中小企業だ。」
中小企業の製造現場は3Kで、日本人の若年労働者は寄り付かないと言われてきましたが、今こそ考え直す時ではないでしょうか。事実、日本の製造現場を支えてきたのは150万の中小企業でした。特に派遣社員の方々にもう一度中小企業に目を向けて頂きたいのです。

研修生を受け入れるために社会保険に加入したり、就業規則を作ったり、確かに発展途上なところがありますが、そんな中小企業に外国人の研修生が希望に満ち溢れて入国し、アウトカムを達成するために謙虚に学び成長していく姿を、私は日本人の若者にも重ねてみたいのです。
しばらく新入社員のなかった中小企業に外国人研修生が受け入れられることによって、たくさんの変化が起こっています。たとえば、研修生の真摯に学ぶ態度に年配の熟練工は教えることの喜びを呼び起こされます。わずかに残った若年労働者は研修生の受け入れによって競争心を駆り立てられます。親の作った会社を継ぐか悩んでいた息子は、人事問題から一時解放されて技術開発に集中できます。自ずと会社は活気付いていきます。そして、もともとあった技術は息を吹き返します。

私は声を大にして言いたいのです。日本の若者たちに「製造現場に戻って技術を習得せよ。目標を持ち自らの力を信じてそれを実現せよ。」と。

私は、昨年末からビジネスとしてのNLP(神経言語プログラミング)を学んでいます。NLPとは、1970年代に米国カリフォルニアで始められた言語学と心理学を組み合わせ
た実用的なコミュニケーション心理学です。五感と言葉で脳にプログラムを作る、この五感が状態を作り、状態が能力を選ぶことになります。たとえば、スポーツ選手が相応しい能力を持っていても本番で上がってしまって実力発揮できなかったという話をよく聞きますが、これは状態管理に問題があったと思われます。つまり、能力だけでなく本番での状態づくりが重要になります。

また、脳の特徴には

  1. 焦点化の原則(脳は同時に多くのことを認識できない)
  2. 空白の原則(脳は空白が出来ると埋めようとする)
  3. 快・不快の原則(脳は快を求め、痛みを避けようとする)

3つがあります。

いうなれば脳の使用説明書を把握することは、脳の有効活用に欠かせないものとなるはずです。もう少し説明すると、

  1. 目標達成率の高い人は、自分の欲しい結果に焦点を当てる。
  2. 目標設定すると達成しようとする目標と現実の空白を埋めようとする。つまり人生は自分にどんな質問をするかで決まる。
  3. 不快(痛み)のマネジメントではなく、目標達成するとこんな快感があると思い描いて仕事をすることの方がどれほど素晴らしいことでしょう。

実は、前述の8フレームアウトカムはNLPのスキルの一つです。NLPには「失敗はない、フィードバックがあるだけ」と言う基本前提があります。人は誰でもある特定の結果を出すことに成功していると考えます。例えば、不眠症の人がいるとすると、その人は「寝ないことに成功している」ということになります。一人ひとりの生まれてきた意味と過去の出来事の全てを使って目標を達成することができます。

面接に行くときの楽しみの一つに研修生の家庭訪問があります。日本でいうと40年ほど前の田舎の農家のようです。平屋で寝室兼居間と大きな釜のある台所だけです。かなり貧しい家庭もあります。でも、年に一度の祭りのときぐらいしか作らないような精一杯の料理を出してくれます。質素ですが温かな雰囲気でいっぱいの中で、敬意と緊張と不安と優しさが入り混じったご両親の目を見ると、責任の重さとこの仕事のやりがいで、体の下の方からこみ上げてくる熱いものを感じます。

さらに別れ際の握手では、家族、研修生、送出し機関、受け入れ機関、受入れ企業がひとつになって、人を育て作り上げるような一体感が生まれ、まさにこの事業の醍醐味を感じます。
これと同じような環境の中で日本の若者も働いて欲しいと思います。

人間の大切な部分に戻りそれを活用することに、雇用問題の解決策もあるように思えてなりません。

取扱説明書

2009.3.29

最近、パソコンの動きが非常に遅いので量販店に相談してみると、3年前に当たり前だったメモリーが、幾多のWindowsの自動更新によって、かなり窮屈になっているそうだ。自分でも簡単に挿入できるというので、メモリモジュールを購入して帰宅した。

さて、簡単に本体のあの部分を押すと開くというのだが、果たして想像していたあの部分がわからない。確かこの辺にと思いながら右往左往していると家内から壊さないでねとクレームがついた。そんなわけないだろうと思いながら、すでに無理やり開きかけた全面カバーが元に戻らなくなっているので、仕方なく取扱説明書はどこにしまったか考え始める。

パソコンのあるラックのすぐ下の引き出しの中にあったあった。数ページ開くと、期待以上の項目が目に入る。「メモリーの増量の仕方」・・・・・何のことはない、パソコン本体裏側のボタンをスライドするだけで簡単に側面カバー全体が外れて中のメモリー挿入部分がはっきりわかる。掃除も兼ねて30分ぐらい格闘した割には、中はあまりにもガラーンとしていて拍子抜けである。初めから取扱説明書に頼っていたら・・・・

数ヶ月前から学び始めたNLP(神経言語プログラミング)は脳の取扱説明書といわれている。マスターコースに進むことは決めているがもっと実践しないとどれだけ無駄な時間を費やしていることやら計り知れない。

そうだあのスキルを今日実践してみようと、昨日までのスピードは何だったんだろうと思うほど速くなったパソコンの前に今いる。

侍(サムライ)

2009.3.26

WBCの日本チームが2連覇を果たした。おめでとう。そしてありがとう。途中不振にあえいでいたイチロー選手も、決勝戦で大活躍して優勝会見ではジョークも交え、晴れ晴れとした顔を見せてくれた。彼の次の言葉が印象的だった。

「サムライが最終的に勝てなかったら、こりゃあカッコつかん」
「最終的に優勝という形になったこと。最終的にサムライになれたことに、ほっとしています」

一方、優勝の特番テレビによると、原監督が監督に決まるときひとつだけ注文をつけたという。

長島Japan、王Japan ときて当然、原Japan となるはずだったが、自分にはそれは重過ぎる。
何か別の言葉を考えて欲しい。といって決まったのが 侍Japan 。

「侍」の言葉は、監督ひとりに頼ることなく、選手一人ひとりが自分なりにいかにチームに貢献できるか という質問を、この一ヶ月ずっと投げかけてきたのだろう。

私のパソコンのディスクトップにある「イチロー復活」というアイコンには、期間中の彼の言葉が保存されているが、もうひとつ「監督・原」というアイコンも増えそうだ。

定額給付金

2009.3.26

今朝、中学3年の息子がいきなり「定額給付金はいつ来るの」「あれって貯金しちゃだめなんでしょ」と聞かれた。

確かに、総務省のホームページによると施策の目的として、「景気後退下での住民の不安に対処するため、住民への生活支援を行うことを目的とし、あわせて、住民に広く給付することにより、地域の経済対策に資するものです」とある。

息子は、2万円で輸入版音楽CDが何枚買えるか算段中である。すべての受給者が息子のような気持ちであったら、かなりの経済効果は期待できるだろう。

果たしてもうひとつ身近にこの件で問い合わせがあった。入国直後の一ヶ月の集合教育を、新宿の組合事務所で行った1月18日入国の研修生からである。

同じく総務省によると、給付対象者及び申請・受給者として「平成21年2月1日において外国人登録原票に登録されている者に支払われる」とある。つまり、研修生や実習生にも受け取り資格がある。

問い合わせの研修生は、外国人登録を新宿区役所で行ったため、2月1日の時点では新宿の住所になっている。受入れ企業の近くの郵便局に行って住所変更の必要があった。彼らは何に使うのだろうか。かなり倹約している研修生が多いので、このお金で美味しいものでも食べてもらいたいと思うのも親心である。

仕抹に困るもの也

2009.3.11

信用不安に端を発した世界金融危機は日本にも飛び火し、連日の新聞には政府対応を評して「負の経済対策」とか「経済主体の疑心暗鬼」などと報じられているのが悲しい。

社会に物申すつもりは毛頭ないが、識者が国家を憂いて引用した西郷隆盛の遺訓が目に留まった。命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。特に仕抹に困るもの也という言葉が気になってしょうがない。

自分自身に次の質問を投げかけてみた。

  1. 私の人生は何のためにあるのか
  2. 私は何をやるべきか
  3. なぜ私はここにいるのか
  4. 私は誰なのか
コミュニケーション

2009.1.28

コミュニケーションには人とのコミュニケーションと内なる自分とのコミュニケーションがある。過去一年、「私は何者か」というテーマで考えているのも、まず自分のことがわからないと人にも与えられないと気づいたからだ。

昨年末より、NLP(神経言語プログラミング)を学んでいる。実に刺激的で面白い。一言でいうと「五感と言葉によって脳をプログラムする」ということになる。仕事面では目標設定、プライベートでは家族とのコミュニケーションにおいて学ぶことが多い。

さらに身近なところでは、先週、研修生が入国してとなりの部屋で日本語研修をしている。毎日コミュニケーションを取るのに奮闘している。

日本語の先生と話し合って、目標設定と研修態度について正したところ、見違えるほど修得能力が上がった。それだけでなく表情が明るくなった。それが一番良かった。